ハル猫が糖尿病と診断され治療を開始してから、ほぼ4か月が経ちました。既にお知らせした通り、成長ホルモンの異常分泌によるインスリン抵抗性のある糖尿病なので、治療の効果ははかばかしくありません。今は、打てる最大単位のプロジンク(インスリン製剤の名前です)を朝晩注射しつつ、食事制限(糖コントロールの療法食を毎日決められたカロリーまで給餌)をしながら、2日に1回輸液しています。それから、毎朝ご飯のときに必ず体重測定をし、体重の増減をモニターしています。そして、できるときには尿検査でケトン体が出ていないかの確認をしています。
1)糖尿病の症状
ハル猫の異常は、まず多飲多尿として出現しました。多飲多尿は、腎不全の症状ですが、糖尿病の症状でもあります。それから、異常なフケと抜け毛。もともと脂性でフケが多い子でしたが、去年の年末のある日に、尋常ならざるフケと薄毛になっていることに気がつきました。これは、かなり短期間に起きた劇的な変化で、さすがにヤバいと思って、年始早々にかかりつけ獣医に駆け込んだわけです。
体重の減少も糖尿病の症状です。ただ、正直言って、ロン毛のハルの見た目から体重減少に気が付くことはできませんでした。というか、2022年9月の健康診断時に7キロ以上あった体重が2023年1月の受診時には6キロ弱になっていたのですが、ハルを抱っこした感じでは、とにかく重い(2キロ台のルイルイ様を抱っこし慣れているため)という感想で、体重が減少していたことに気づくことができなかったです。
その他の症状としては、今、思い返してみると、おしっこがベタベタする感じは少し前から確かにあったんですよね。ベタベタするおしっこ、すなわち尿中に糖が出ていた可能性は高く、それをうまく検出できていれば、もう少し前にわかっていたかもしれません(ちなみに、しぐにゃるでは尿糖は検出不能です。ただ、仮に検出可能だったとしても、ハルはしぐにゃるの入ったトイレを使ってくれないので、どちらにせよ検出は不可能でした)。
さらに、糖尿病の確定診断が出て治療を開始してから、神経症状が現れました。後肢の踵が立たなくなり、ぺったぺったと踵を付けて歩くようになったのです。こちらのサイトに貼り付けてある動画がわかりやすいと思います。ぺったぺった歩きってどんなもの?と気になる方はぜひご覧ください。
実は、歩行異常が出たときに私に気が付くことができるかしら?と思っていましたが、すぐにわかりました。実際に猫ちゃんの歩き方がおかしくなっていたら、下僕にはすぐにわかると思います。残念ながら、ハル猫の血糖値はある程度までは下げることができたものの、完全なコントロールは無理なので、この動画の猫さんのように改善はしていません。それでも、日によってかなり踵が立っているときと、ぺったりなっているときがあり、どんどん悪くなっているというよりは、一定のところで安定している感じにはなっています。高いところに登ったり走り回ったりはできなくなってしまいましたが、痛みがあるわけではなさそうなのがせめてもの救いです。
役に立つかどうかはわかりませんが、血行を良くしたり抹消神経を刺激したりできればいいな、とできるだけ足をマッサージしています。でも、本猫はあまり好きではないらしく、しつこくやっていると噛まれます。
2) 治療方法
インスリン注射
糖尿病の治療には血糖値を下げることが第一なので、ごく軽症の場合を除いて、インスリン注射が不可避と思います。我が家は自宅ではプロジンクしか使っていませんが、獣医さんがこれを勧めるのは、持続時間などを考慮するとたぶん一番打ちやすい製剤だから、と思います。朝晩のご飯の後に、細い注射器で皮下に打ち込みます。薬液は、容量も少ないですし沁みたりしないようなので、そんなに抵抗なく打てると思います。ただ、我が家はインスリン抵抗性の糖尿病なので、最大容量まで打っても、目標レベルの血糖値(200)まで下げることはできていません。
食餌療法
もし、糖尿病がごく初期に発見できれば、インスリン注射なしの食餌療法だけでも、血糖値を正常に戻せるかもしれません。また、インスリン注射で血糖値を下げた後、うまくいけば食餌療法だけで血糖値のコントロールが可能かもしれません。ただ、糖尿病に飼い主が気が付いて来院するころには、食餌療法だけで治療できる程度の進行度合いであるケースはあまりないようです。
糖をコントロールした療法食は、ヒルズのMDとロイヤルカナンの糖コントロールのいずれかを使うように、おそらく獣医さんからは勧められると思います。他にも海外のメーカーの製品があるようですが、我が家は利用していません。MD(ドライのみ)と糖コントロールのドライとウェットフードを食べさせています。朝ご飯にMDと糖コントロールのドライフードを半分ずつ、夜ご飯は糖コントロールのパウチとカリカリをあげています。
最近ちゅ~るに糖質フリーなんてものが出ているんですよね。ある程度血糖値がコントロールできたら、ハル猫にもあげたいと思って買ってありますが、なかなかあげられる日は来ないです。
輸液
我が家では、循環がよくなるようにと隔日でやっていますが、mustではないしどの程度症状の安定に寄与しているのかはわかりません。ただ、おしっこベタベタは最近はあまり感じないし、やたら水を飲む=多飲は収まっているようです。
定期的な検査
インスリンの効果を測定するために、当初は毎日通院していました。が、インスリン抵抗の原因がわかって、マックス打てる量まで増やしてからは、月1回程度の頻度で血液検査と全身状態の確認のために通院しています。
いざというときのブドウ糖液
成長ホルモンの異常分泌の場合、ホルモンの分泌状況によってインスリンがある日突然効き始めることがあるらしいです。そうすると急激に血糖値が下がって危険な状態になるので、我が家ではブドウ糖液を常備してあります。低血糖を疑われる場合はすぐに病院にGOですが、ブドウ糖液を飲ませることは下僕でもできる応急処置です。
尿糖とケトン体の検査