ミスティとハルを連れて帰る予定の前日、認証取得のためにVIGIAGROまで行ったはずのRobertoさんからは待てど暮らせど連絡がありませんでした。VIGIAGROは5時半には閉庁しますが、6時を過ぎても連絡がありません。単に連絡を忘れているだけだとは思いましたが、もしかして認証取得に失敗してバックレちゃったのかも知れません。渋滞にはまって遅れているんだろうとは思ったけど、7時くらいまで待ってRobertoさんの携帯に電話しました。
そうしたら、ピックアップに行くのが遅れて、今、やっと空港を出るところです。が、認証は問題なくもらいましたよ。心配要りません、とのこと。
一日中心配しまくって変な汗をかきまくっていた私は、その言葉にものすごーく安堵しました。Robertoさんが我が家に書類を届けに来たのは、結局夜の8時半過ぎでした。ちょうど食事中だったので、家に上がってもらうことはせず、玄関先で書類を渡してもらいました。
RobertoさんはミスティのCZIを見せました。最後のページにMAPAの公印と日付印、すべてのページに担当獣医官の署名押印がありました。本来ならば、MAPAの公印をホチキス止めした部分に割印してもらうべきなんですが、それはありませんでした。Robertoさんに公印の割印がないじゃないですか?と言ったら、その分獣医の署名押印が全ページにあるから大丈夫、と自信満々の返答でした。
このとき私はハルのCZIも念のためにチェックしたのですが、そのときはなぜか不備に気がつかなかったんですよね。Robertoさんが、これで大丈夫、2匹とも認証が取れましたよ。と自信満々だったからなのか、一日中心配した挙句に紙をもらっただけで安心しちゃって気が抜けちゃったのか。私としては一生の不覚でした。まぁ、ここで気がついていたとしてもどうしようもなかったんですが。ただ、この時点で不備に気がついていれば、少なくともRobertoさんに2匹分のお金を払うことはなかったでしょう。
そうなんです、実はハルのCZIには一番大事なMAPAの公印がどこにも押されていませんでした。しかし、担当獣医官の署名押印はすべてのページにありました。しかも最後のページは、それがドでかかったので、それで錯覚しちゃったのかも知れません。
Robertoさんが帰った後すぐにミスティとハルのCZIをスキャンして羽田空港の検疫所にメールで送りました。この時点では私は書類はすべて整ったと思っていたので、私自身も自信満々だったんですよね。バカバカバカ~。でも、気がついていなかったので、出発前夜のその夜は結構よく眠れましたよ。ま、不幸中の幸いっすね。
そして出発当日の朝6時過ぎ。メールを見たら羽田の検疫所から不審なメールが届いているじゃないですか。このときは、まだハルのCZIの致命的な不備に気がついていなかったので、何言ってんだくらいの感じでした。ああ、自分バカス。たぶんホチキス止めした部分に公印の割印がないことが問題なんだろうと思って、獣医官の署名押印が全ページにあることで勘弁して下さいという趣旨のメールを返信しました。が、どうも腑に落ちないので、念のため日本まで電話をかけました。
羽田の担当官の方は、ミスティちゃんのCZIに公印が最後のページにしか押されていないことも本来は問題です。日本のルールではすべてのページに公印押印が必要ですから。でも、この際、ミスティちゃんの分はこれで通します。が、問題はハルちゃんです。ハルちゃんのCZIには公印がどこにも押されていませんよ。あるのは獣医官個人の署名押印だけです。これでは、さすがにブラジル政府の認証を受けたとは認められないです。出発時刻が迫っていると思いますが、今日これから公印をもらいに行くことは可能ですか?
とおっしゃるではないですかっ!雷が脳天を直撃したような衝撃でしたね。つーか、ハルのCZIの公印抜けという事実より、それに今まで気がつかなかった自分に衝撃を受けましたよ。改めてCZIを見てみたら、おっしゃるとおり、どこにもMAPAの公印はありません。なんで気がつかなかったんだ、自分。バカスバカスバカス!
残念ながら、この日はブラジル全土が祭日で当然役所であるVIGIAGROも閉っています。だから、今から再度認証取得に臨むのは無理でした。一度電話をきって羽田の検疫所内で再度検討してもらいましたが、今までいろんな書類の不備のケースがあって、そのつどかなり柔軟に対応してきたけれど、さすがに公印が全然ないというので係留なしで輸入を許可したケースはないです、と言われました。
我が家は第2陣の帰国が控えているので、今回ハルの移動を断念し第2陣で連れて帰ることは可能ですか?と聞かれました。そうでなければ予定通り連れて帰って第2陣の帰国時まで係留し、改めて公印を押してもらったハルのCZIを第2陣帰国時に持参すればそのときに係留リリースしますから、どちらかを選んでください、と言われました。
係留は避けたかったし、何よりCZI不備の状態で飛べるのか、エアラインの対応もわからなかったし、大事をとってハルの移動は延期することにしました。それから怒涛のメール打ち、です。まず、Saco Robertoに、あなたはハルのCZIに公印をもらってこなかったので、ハルは予定通り日本に帰ることができない、どうしてくれんじゃ、おんどりゃー、という勢いのメールを打ちました。ここにいたるまではRobertoさんとのやりとりはずっとポルトガル語で行っていましたが、もうそんな余裕はないので、英語でメールを打ちました。それから、ロスの旅行代理店のKさんに今回の顛末と次のフライトでもう1匹、貨物預けのスペースを追加で確保してくれるように依頼するメールを打ちました。さらに、東京での留守番中シッティングをお願いしていたキャットシッターさんにもハルは戻れない旨の連絡をしました。1匹だけになっちゃうミスティが寂しがるだろうから、できれば1日2回の訪問が可能か検討してもらうこともお願いしました。
起床から迎えのタクシーが来るまでの5時間弱はこうしてあっという間に過ぎてしまいました。