昨日は夏休みでバカオが家にいて、平日ですが車が出せたので、お猫のみなさんを3種混合ワクチン接種のために、動物病院に連れて行きました。
3種混合ワクチンというのは、日本的な呼称で、ドイツでは一般にKatzenseufeとKatzenschnupfenに対するワクチンと呼ばれております。Katzenseufeというのが、パルボウイルスに対するワクチンであり、Katzenschnupfenがカリシウイルスとヘルペスウイルスに対するワクチンなので、ドイツ語だと2種ワクチンのように聞こえますが、実際には日本で3種混合ワクチンとして打たれているものと同じです。
↑我が家かかりつけの病院の入り口遠景(1枚目の写真)と待合室(2枚目)。
先生の趣味なのか、待合室の水槽の中でトカゲが飼われております。壁には、行方不明の猫を探す飼い主さんの「Gesucht=探しています」の貼り紙がいっぱい。ミュンヘン市はずれの住宅街である我が家周辺では、猫は外出自由が標準的な飼い方なので、同様の貼り紙は動物病院だけでなく、ペットショップや道端の電柱でもよく見かけます。
ワクチン接種後、お疲れの様子のルイルイとニチ男。
ルイルイは、ワクチン後元気がなく丸1日全然食欲がありませんでした。今でも少し熱があるようで体が熱いし、とてもだるそうです。特に昨夜は相当調子が悪かったらしく、なでようとすると「触らないで!」と軽く唸られたりしました(かあちゃん、大ショック)。
ワクチン接種後、すっかり行方をくらましてしまったジュニ男。今頃は家の中のどこかのクロゼットの中にいるのでしょう。写真が撮れないので、以前撮ったもの(1人緊縛プレイ中)をアップ。
うちのかかりつけの獣医さんは、とても手際がよくて知識も技術も信頼できるし、アシスタントの看護士さんたちもテキパキと感じがよくて、基本的には文句なし、のとても良い病院なんですが、時々、微妙な温度差を感じるんです。その温度差は、ドイツ語という言葉の壁だけでなく、もう少し微妙かつ根深いところに由来するようです。
私としては、ワクチンは感染症の予防には大変有効な手段ではあるけど、体に異物を入れるという意味では副反応は避けられず、猫にとっては負担になるものだから、ワクチンは必要最小限のものを、必要最小限打つ、にとどめたいと思っています。
また、私の頭の中には、獣医療に関してはアメリカが一番進んでいる、という考え(単なる思い込み?)があるので、ワクチン接種のガイドラインとして、アメリカで猫の診療を専門にする獣医の団体、
AAFP(American Association of Feline Practitioners)の「猫ワクチンに関するアドバイザリー・レポートFeline Vaccine Advisory Panel Report」を、参考にしています(レポートは英語ですが、
こちらからPDFでダウンロード可能です)。
かいつまんで言うと、我が家のような完全室内飼い猫で、飼い主である私やバカオが家の外でよその猫と接触する機会がほとんどなく、里子や一時預かりなど外から猫が入ってくることもほとんどない家庭の場合、必要なワクチンはパルボ・カリシ・ヘルペスの3つのウイルスに対するものだけで、なおかつワクチン接種のインターバルは、AAFPのレポートが勧めるとおり、3年に1回で十分だと思っています。
必要なワクチンの種類については、ドイツでかかりつけにしている獣医さんとも意見が一致しているんですが、接種のインターバルについては意見が合いません。先生は、3年に1回だと間隔が空き過ぎ!基本的に毎年、どうしても間を空けるなら、2年に1回、と勧めるので、
「ワクチンとの関連性が疑われている腫瘍のリスクがあるので、アメリカでは3年に1回が推奨されているんですけど。」と言ったら、
「アメリカで使われているワクチンとヨーロッパで主流になっているワクチンは種類が違うし、腫瘍のリスクは20,000分の1くらいしかないんだから、それを心配する必要はないでしょう。」と先生。さらに畳み掛けて「あなたが20,000匹、飼っているなら別だけど。」だって
(ちょっとむかついたね、この一言には)。
「でも、不幸にしてうちの子が20,000分の1に当たるかも知れないじゃないですか。」
と食い下がったものの、なんかあんまりこっちの気持ちをわかってもらえなかった。
先生の言うとおり、ワクチン起源の腫瘍のリスクについて(特に3種混合ワクチンの場合)、過剰に心配するのは間違いなんだろうけど、ワクチン後に一時的にせよ元気&食欲消失してしまう、うちのお猫の皆様を見ると、効果のあがる範囲で最小限の接種に留めたいと思うのは、自然な親心だと思うんだけどなぁ。でも、そういうペットに対する親心っていうのが、ウェットでセンチメンタルでエモーショナルすぎて、たぶんドイツ人には理解できないだろうと思うので、これ以上食い下がるのはやめました。
それから、動物病院の診療時間が短くて、先生とゆっくり話す時間がないのも残念。東京のかかりつけの病院は、決して大きな病院ではなかったけど、常勤の獣医が当時でも4人いて(今はもっと増えているらしいけど)、365日無休で朝9時から夜9時まで、早朝と夜を除けば獣医は毎日複数勤務体制だったから、通りかかりに今日は空いているな、と思ったら、ちょっと寄ってカウンター越しに獣医さんと立ち話したりできたのです。しかし、ドイツの病院は獣医1人だし、診療時間がすごく短いのでいつも混んでいて、言葉の壁プラス考え方の壁に加えて、これも距離を感じる原因のひとつになっているのかも知れません。
家から自転車で20分の場所に乗馬クラブ発見!レッスンもやっているというので、20数年ぶりに、乗馬を再開しました(実は、アタクシ、大学学部時代に必修の体育の授業で1年馬術を選択しておりました)。
乗馬というとすごくハイソなイメージですが、私の通っているところは、農家がやっている学校なので、全然お気軽。学校の馬を使って行うグループレッスンは、30分20ユーロ。乗馬は日本とドイツの価格差がもっとも大きいスポーツのひとつじゃないか、と思います。
ここでは、乗る前の馬の世話は乗り手がやります。これが結構汚れ仕事なんで、きれいな格好はNG。ということで、私は乗馬靴も革じゃなくて、まずはゴム長靴を買いました。馬の手入れ、めちゃめちゃ楽しいっす。馬のお世話のために、ボランティアで毎日通いたい、と思うくらいです。
馬に乗っている間は普段使わない内股の筋肉を使うので、レッスン後は足が上がらないくらいの筋肉痛&ガニ股になってしまいます。多くの日本人の方は、乗馬=優雅、というイメージをお持ちでしょうが、実際は、汚れ+ガニ股=優雅とは程遠い、のでございます。