うちの猫たちは、
初代のトロちん(アメリカンカール:2001年3月19日~2002年8月15日)は、東京都下、M市のT百貨店のペットショップ出身(生まれたキャッテリーは愛知県内)、
次男のニチ男は、静岡県H市のキャッテリー出身、
三男ジュニ男は、東京都下、K市のアパート裏で野良猫かあさん(ミケ猫)から生まれた5人兄弟の中の1匹、
ということで、男子チームは、いつどこで誰から生まれたか(少なくともお母さんについては)がわかっていて、我が家の一員となるまでの来し方もほぼ把握できています。
が、
ルイルイは、いつどこでどんなお母さん猫から生まれたのか、まったくわかっていません。わかっているのは、
2003年の8月初頭に埼玉県W市内のレンタルビデオ屋の駐車場で、そこに来るお客さんにご飯をねだって、ニャーニャー鳴いて足元にまつわりついていたこと、
そのとき、右足の大腿部に怪我をしていたこと
だけです。
それを見つけたルイルイ保護主さんの弟さんが、
「お姉ちゃん、今、レンタルビデオ屋の駐車場に白い子猫がいるよ」と、携帯でメールを打ってくれて、保護主さんの
「即、保護して帰宅せよ!」の命令どおりにルイルイを連れて帰ってくれた、というのが、ルイルイの過去についてもっとも遠くまで遡ってわかっている事実です。
ルイルイは、保護された時点ですでに生後4ヶ月くらいになっていたこと、右足に怪我がありましたが、体はほとんど汚れておらず寄生虫もついていなかったこと、何より全然警戒心がなくとても人懐こかったこと、から考えて、野良猫として生まれてかあさん猫とはぐれてしまった、というよりは、どこかの家猫から生まれて離乳するまでその家で育てられたものの、飼いきれないと捨てられた、と考える方が、辻褄があうような気がします。
今、思い返してみると、我が家に来たばかりのルイルイは、先住猫のニチ男にも私たち人間にも、かなり気を遣っていたような節があります。人間に対しては、いつも足元にまつわりついて、ニャァニャァと「私を見て見て!」とアピールしていました。彼女なりに「この家に置いてもらおう、もう2度と捨てないで」という思いで、必死だったのかも知れません。また、本当は相性のよくないニチ男に対しても、最初のうちはかなり我慢強く付き合っていたと思います。
捨てられて保護されて、約2ヶ月経って保護主さんのお宅にやっと慣れたと思ったときに、また違う家(=我が家です^^)に連れてこられて、事情を知らないルイルイにしてみれば、たらいまわしにあったと思ったのかも知れません。彼女が心落ち着くまでには人間が思う以上に時間が必要だったのだろうと思います。
そんな初期のルイルイについて、忘れられない思い出があります。
我が家での生活も2ヶ月以上が過ぎたころに、その出来事は起こりました。ルイルイはすでに生後8ヶ月、体もふっくらとして精神的な落ち着きが顔立ちに見られるようになっていましたので、避妊手術をすることにしたのです。
我が家の東京でのかかつりけの動物病院は、手術当日の朝、血液検査をしてその検査結果を見てから、当日手術が可能かどうかの最終判断をすることになっています。血液検査の結果に異常がなければ、正午から午後3時までの時間帯に手術が行われ、手術当日は原則として1泊入院します。
手術予定日の朝は、病院の開く9時にルイルイを連れて行きました。前の晩からニチ男も絶食に付き合わせているので、ルイルイには少し早めに病院に入ってもらった方が、残ったニチ男に朝ごはんを出せるので、いいだろうと思ったのです。今考えれば、このとき血液検査の結果が出るまで、病院の待合室で待ってあげればよかったのですが、私はニチ男にご飯を食べさせるために、ルイルイを病院に預けて家に戻って検査結果は電話で教えてもらうことにしました。
このときのルイルイは、我が家に来てから自分1人だけどこかに置き去りにされたことなどなかったので、きっととても不安だったろうと思います。その後1時間くらいたってから、病院から家に電話がありました。
「血液検査の結果、ある値が正常範囲を超えているので、どうしますか?」と。担当獣医は、
「さほど心配するような値じゃないですけど、大事をとって手術は延期しますか?」
「ええー、その異常な値ってどういうことですか?手術はもちろん延期です。延期。うちの大事な娘の手術です。どんな些細なことでも不安材料が1ミクロンでもあるんなら、手術はしませんっ!」と、アタクシ。
すぐに車を出して、ルイルイの救出(オイ)に向かいました。病院の受付で異常のあった数値についての説明を受け、
「1ヶ月くらい経過観察して、また検査をしてから、避妊手術の日取りを決めましょう。」という相談をしている間に、病院奥のケージからルイルイを出してきてもらいましたが、看護士さんに抱かれて連れてこられた、そのときのルイルイの顔、今でも忘れられません。
完全に「捨て猫顔」に戻っていた!
ほんの数時間でも、1人置いてけぼりをくらったこと、保護主さん宅+我が家での家猫生活約4ヶ月を打ち消すくらいの衝撃があったのでしょう。この病院にはそれまで何度も通っていましたが、こんな顔になったことは一度もありませんから、病院が嫌いというよりは、「1人置き去りにされた、かあちゃんに捨てられた」という思いが強かったのだろうと思います。彼女の来し方を考えれば、まだ家猫としての自信が十分確立されていなかったであろうことに、もう少し配慮をしてあげるべきでした。
↑今だからできる「可愛い捨て猫ごっこ@ルイルイ編」
そんな私の健気なルイルイは、いったいどこに行ってしまったんでせうか・・・(遠い目)。
今ではすっかり貫禄がついてふてぶてしくなり、自分中心に全世界を回しておりますよ、ルイルイ姐さんは。
でも、そんなルイルイが、愛しくて愛しくて仕方がないアタクシなんでございます。
以上、猫バカの脳内ファンタジーに過ぎないというご批評も、甘んじてお受けいたしますです。