お猫さま方を連れて行くとなったら、次に心配なのが移動の手段です。実はロサンゼルスからサンパウロまで直行便を飛ばしているのは大韓航空だけ。大韓航空もペットの機内持ち込みを認めていますが、重量制限があってキャリー込みで5キロまで。我が家のお猫さまはロートル3匹は本体だけで5キロ超え、娘。2匹も4キロ台後半なので、大韓航空には乗せることができません。
直行便に乗せられないなら、飛行機を乗り継ぐしかありません。となると米系エアラインの中でどこを使うか検討しなければなりません。結局ユナイテッド航空を使ったのですが、ユナイテッドに決めたのはサンパウロ便にペット機内持ち込みが可能で、ヒューストン経由サンパウロ便の飛行時間が一番短くなるから、でした。(注:原則ペット機内持ち込みOKの米系エアラインでも、路線によって持ち込み不可の場合があります。ちなみにAAはサンパウロ路線はペット機内持ち込みを許可していません。)
ロサンゼルスからヒューストンまでは3時間強。ヒューストンからサンパウロまで10時間弱。飛行時間だけ考えれば、日本から欧州までとさほど変わりません。ただ乗り継ぎの飛行機に飛び乗るわけにはいかないし、国内線には遅れが出ることも多いです。ということで、乗り継ぎの待ち時間を2時間から3時間、大目にとりました。結果、飛行機での移動時間だけで15時間から16時間かかってしまいました。
次に調べたのは、ブラジル入国検疫の手続。移動手段が何とかなったとしても、行先国の検疫が厳しかったらどうにもなりません。情報は在ロサンゼルスのブラジル総領事館のHPに載っていました。(losangeles.itamaraty.gov.br/en-us/animals_and_plants.wml)一応内容に間違いがないかどうかは、ブラジル本国の担当官庁にメールを打って確認しました。
現在の条件は、狂犬病予防接種だけ。その情報を記載したUSDA認証のある獣医の健康診断書を入国時に提出すればOKになっています。但し健康診断書は米国のAPHIS7001Formだけでなく、ブラジルFormが必要。ブラジルFormはUSDA・APHISのHP(www.aphis.usda.gov/regulations/vs/iregs/animals/)からダウンロードできますし、最寄のArea Officeに連絡すればEmailで送ってもらえます。ブラジルFormにはAPHIS7001に記載のない情報、すなわち接種したワクチンのシリアルナンバーを書く欄があります。これはAPHIS7001の認証をもらう際に持参すべきワクチン接種証明書に通常なら記載されていると思いますが、念のためワクチン接種時に証明書をもらったらシリアルナンバーがあるか確認する癖をつけておくといいかも。
健康診断書は獣医さんで作成してもらってから10日間有効。この有効期限内にブラジルに入国しなければなりません。(注:以前はUSDA認証を受けた健康診断書をブラジル大使館・領事館にもっていって、さらにLegalizationしてもらうことになっていましたが、2009年8月に法律が変わってこの煩雑な手続は不要となりました)
なお、USDA・APHISで認証してもらえる健康診断書は、ブラジル行きに限らず、Accredited Vet.により作成されたものだけです。かかりつけの獣医さんが認定医であるか否かの確認は必須です。管轄のエリアオフィスに電話して、かかりつけ獣医の名前と住所を言えば、ちゃんと認定医リストに登録されているかどうか確認してくれます(カリフォルニアの電話番号310-725-1970)。Accreditationを維持するためには、所定のセミナー等への参加が義務付けられていて、獣医さんがそれをブッチしていると本人も気がつかない間に認定を取り消されている可能性があります。私が3回目にUSDAのオフィスに行ったとき、そういう事態になっていてパニクって獣医さんに携帯で電話して文句を言っている飼い主さん(日本人じゃありません)がいました。要注意。
ロサンゼルス空港近くのUSDA/APHISエリアオフィス。
11850 S.La Cienega Blvd, Hawthorne, CA 90250
認証は月曜日から金曜日の朝7:30から11:00まて。アポは要りません。手数料の支払は現金不可。クレジットカードまたはデビットカードでの支払いになります。健康診断書にワクチン接種の情報が記載される場合は、ワクチン接種証明書を持参しなければなりません。行先国によって認証時に持参すべき書類が異なるので、まず電話で問い合わせするといいです。
予備的調査の3つ目の課題は、ブラジル現地での住環境。連れていったはいいものの、住む場所が確保できなければお話になりません。これは初期の段階で雇ったリロケーションエージェントを通じて確認しましたし、バカオが出張で現地に赴いた際にも不動産屋で情報収集してきました。住む地域によって相当違いがあると思いますが、我が家が家探しをしていたサンパウロ郊外の地域は、企業派遣の外国人(主としてアメリカ人)が多く、この辺ではペット可がデフォルトであるとのこと。但し、高層マンションのような集合住宅では、頭数制限・重量制限(わんこの場合)があって、2匹、3匹ならともかく、5匹はちょっとねぇ、という感触でした。逆に一戸建てはペットを飼うのが当たり前のようになりつつあり、特に治安の問題もあって、ほとんどの一戸建ては犬を飼っているようです。ちなみに、うちの大家さんも以前は犬を3匹飼っていたそう。
ここまで予備的調査が済んで、次は実際に誰をいつのタイミングで移動させるか、計画を練ることになりました。